

吉田修一原作の短編集「犯罪小説集」をもとに映像化しました。
とある村で起こった幼児誘拐事件、その12年後の少女行方不明事件、村に帰ってきた
養蜂家に起こった事件を通して、人間の愚かさや悲しさ強さを描いています。
全体的に暗いです。
人間ってなんだろ、なんだか悲しくなってしまいますよね。
見た目がちょっとみんなと違っていたり、みんなとちょっと違う事をして成功しそうな人を
どうして変な目でみたり、うらやましさから村八分にしてしまう。
12年前と同じような少女行方不明事件が起きれば、村に移住してきたハーフで村になじめない
コミュニケーションがとれない青年を犯人に仕立て上げてしまう。
犯人を作ることで、被害者側は心が落ち着くのかもしれない。
村で今までと違った事をしようとすると、村八分にして、とことんまで精神的に追い詰める。
集団心理かもしれないけど、ほんとうに人として醜くて気持ちがわるい。
12年前の幼児誘拐で最後まで一緒にいた同級生の紡に
「なぜ、おまえが生きているんだ」と追い詰めてくる孫を亡くした藤木が
自己中心的で本当に腹立たしかった。
罪もない人を人間の手によって、簡単に犯罪者にできる怖さを感じた。
誰もが顔見知り、よそ者が嫌い 排除しろ。
そんな田舎は好きじゃない。
紡はこれから強く生きていくのだと信じたいけど
最後までなんかモヤモヤしか感情があって、後味は悪いですね。
人として素敵な人になりたい。